農業ログ-日本農業の可能性を模索するブログ-

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液剤散布用ドローン「Zion」の発売が決定!

株式会社エンルートが、2017年春の発売に向けて、農業を中心とした液剤散布用ドローン、Zion(ザイオン)AC1500を完成させました。

 

 

AC1500は、以前より発売され好評を得ていた農薬散布専用モデル、AC940-Dを大型化したもので、大容量液剤タンク(約9リットル)を搭載することにより、より広いエリアにおいて効率よく運用することが可能になっています。また、オプション設定の粒剤散布装置も独自の設計によるオリジナルとなっており、高い散布能力を備えています。

 

GPSを搭載することで実現している速度維持機能など、操縦のしやすさもAC940-Dからそのまま継承。初心者の方でもトレーニングを受けることで違和感なく操縦することが可能です。さらに、散布中にうっかり液剤がなくなってしまった場合はLEDが点滅してオペレーターに知らせるなど、数々の親切設計も盛り込まれています。
また、機体の大型化に合わせてアーム部が折りたためる新機構を採用。専用のジュラルミンケースにコンパクトに収納できることはもちろん、軽トラックでも安全かつ速やかに移動することが可能となっています。

 

【旧型のAC940-Dについて】

Zion AC1500の一世代前であるAC940-Dは以下のような性能になっています。

  • タンク容量:5リットル
  • 最大積載重量:5kg
  • 最大1L/1分間吐出(吐出量はつまみで調整可能)
  • 搭載バッテリー138Wh×2本(50aに農薬散布ができる程の容量)
  • 最大散布能力は農薬4L搭載時 50aを5〜6分で散布可能

 

 

【Zion AC940-Dの運用動画】

株式会社エンルートが一般公開しているZion AC940-Dの運用風景の動画です。


エンルート Zion AC940-D 農業用マルチローター 性能確認番号第一号取得

 

【株式会社エンルートについて】
・会社名:株式会社エンルート

・公式URL:chatwork.com/ja/

・所在地:埼玉県ふじみ野市うれし野1-3-29

・設立:2006年(平成18年)10月

・資本金:46,000,000円

・事業内容:産業用無人機の設計、製造、販売、電子制御関連部品の輸出入、製造、販売、ドローン、サービスロボットを用いた遠隔制御撮影、および撮影機材の開発、製造、サポート、自律制御ロボット用プラットフォーム開発、製造、ディープラーニング、画像処理、遠隔制御、通信ソフト、ハード開発、無人機運用、トレーニング

 

【まとめ】

日本の農地面積くらいですとドローンを使った農薬散布位が丁度良いかと思われます。

海外では、よくニュースでも見るように航空機を用いた農薬散布をしていますが、あれは農地面積の規模が圧倒的に違うから「航空機」という農薬の積載量がかなり多く、1回あたりの散布時の燃料コストが嵩む形態でも採算が合っているのです。

日本では、農家1戸あたりの農地面積が非常に小さく、全国の農家の経営耕地面積を平均すると2.5haです。(2015年農林業センサスより)

Zion AC1500の農薬散布能力を、旧世代のZion AC940-Dから単純計算で割り出すと、以下のような散布能力を持っていると分かります。

 

9L/4L×50a=112.5a=1.125ha

 

つまりZion AC1500は1回あたりで1.125haの散布能力を有しています。

これって一部の大規模農家を除く多くの農家が1回の散布で施薬を終えることになりますよね。

このような計算からもドローンは小規模営農である日本の農業に適していて、これから益々広がりを見せていくだろうと個人的には思っています。